第八十八番 大窪寺
第88番札所 医王山 遍照光院 大窪寺(いおうざん へんじょうこういん おおくぼじ)
大窪寺について
大窪寺は、四国八十八箇所巡礼の最後を飾る結願の寺院です。
香川県の南部、矢筈山(標高788m)の東斜面中腹に位置し、豊かな自然に囲まれた境内からは讃岐平野を一望できます。
寺の歴史は古く、養老年間(717-724)に行基菩薩が霊夢を得てこの地に草庵を建立したことに始まります。
その後、815年に唐から帰国した弘法大師空海が、胎蔵ヶ峰の岩窟で虚空蔵求聞持法を修めました。
この際、大師は自ら等身大の薬師如来坐像を彫造して本尊とし、恵果阿闍梨から授かった三国(印度、唐、日本)伝来の錫杖と共に安置しました。
特筆すべきは、大窪寺が早くから女性の参拝を認めていたことで、「女人高野」として知られ、かつては100を超える堂宇を擁する大寺院でした。
本堂西側の女体山には奥の院があり、弘法大師が独鈷で加持すると湧き出たという霊水は、今でも参拝者の病気平癒に霊験があるとされています。
寺は天正年間の戦火や1900年(明治33年)の大火災など、幾度もの災禍に見舞われましたが、高松藩主松平家の庇護と歴代住職の尽力により、その都度再興されてきました。
現在の堂塔のほとんどは明治の火災後に再建されたものですが、二天門だけは当時の面影を残しています。
遍路道の締めくくりにふさわしい静寂な佇まいを見せる境内では、巡礼者たちが供養のため「同行二人」と共に歩んだ金剛杖を寶杖堂に奉納する姿が見られ、これらは春夏の柴灯護摩供で供養されます。
大窪寺は今なお、四国遍路の結願霊場として、多くの巡礼者の心の拠り所となっています。
- 創建
- 養老元年(717)
- 開基
- 行基
- 宗派
- 真言宗
- 御本尊
- 薬師如来
- 御真言
- おんころころせんだりまとうぎそわか
- 御詠歌
- 南無薬師諸病なかれと願いつつ
詣れる人は大窪の寺
- 住所
- 〒769-2306 香川県さぬき市多和兼割96
- 電話
- 0879-56-2278
- 駐車場
- 無料(40台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/88ookuboji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCWr