第八十四番 屋島寺
第84番札所 南面山 千光院 屋島寺(なんめんざん せんこういん やしまじ)
屋島寺について
屋島寺は、高松市東部に位置する標高293メートルの屋島南嶺にある古刹です。
寺の創建は753年(天平勝宝5年)に遡り、日本に戒律を伝えるため5度の渡航の末に来日を果たした唐の高僧・鑑真和上によって開かれました。
東大寺へ向かう途上、屋島の沖で山頂からの瑞光を感得した鑑真は、北嶺に普賢堂を建て、自ら持参した普賢菩薩像を安置しました。
その後、鑑真の弟子で東大寺戒壇院の恵雲律師が堂塔を建立して「屋島寺」と号し、初代住職となりました。
815年(弘仁6年)、嵯峨天皇の勅願を受けた弘法大師が当寺を訪れ、北嶺の伽藍を現在の南嶺に移すとともに、十一面千手観音像を彫造して本尊としました。
これにより大師は屋島寺中興の祖として仰がれることとなります。
その後、寺は山岳仏教の霊場として隆盛し、947年から957年(天暦年間)には明達律師が四天王像を奉納しています。
現在の本尊である十一面千手観音坐像もこの頃の作で、国指定重要文化財となっています。
同じく重要文化財に指定されている本堂は鎌倉時代の建立です。
戦乱による衰退を経験しましたが、讃岐国主・生駒氏の寺領寄進や歴代藩主の援助により、境内には本堂、大師堂、三体堂、熊野権現社、蓑山大明神社などが建ち並び、「平家供養の鐘」と呼ばれる鐘楼や、「雪の庭」と呼ばれる書院庭園、弘法大師が宝珠を投じたという「瑠璃宝池(血の池)」なども見どころとなっています。
屋島は那須与一の扇の的や義経の弓流しで知られる源平合戦(1185年)の古戦場としても有名で、現在は観光地として多くの参拝客が訪れています。
寺へは屋島ドライブウェイやケーブルカーのほか、旧遍路道の登山道を使うこともでき、後者では「大師お加持水」や「喰わずの梨」といった弘法大師ゆかりの霊蹟を巡ることができます。
- 創建
- 天平勝宝年間(749〜756)
- 開基
- 鑑真和上
- 宗派
- 真言宗御室派
- 御本尊
- 十一面千手観世音菩薩
- 御真言
- おんばさらたらまきりく
- 御詠歌
- 梓弓屋島の宮に詣でつつ
祈りをかけて勇む武夫
- 住所
- 〒761-0111 香川県高松市屋島東町1808
- 電話
- 087-841-9418
- 駐車場
- 有料(屋島山上観光駐車場:二輪/200円、普通車/300円、大型バス/1,200円)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/84yashimaji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCWm