第八十二番 根香寺
第82番札所 青峰山 千手院 根香寺(あおみねさん せんじゅいん ねごろじ)
根香寺について
根香寺は、五色台の主峰である青峰山の中腹に位置し、深い緑に包まれた古刹です。
入唐前の弘法大師がこの地を訪れた際、五色台の五つの峰に金剛界曼荼羅の五智如来を感得し、密教修行の地として青峰に五大明王を祀る「花蔵院」を建立したのが始まりです。
832年(天長9年)、弘法大師の甥にあたる智証大師が当山を訪れると、山の鎮守である市ノ瀬明神(一之瀬明神)から「毘沙門谷、蓮華谷、後夜谷に道場を作り、蓮華谷の木で観音像を作りなさい」という神託を受けました。
智証大師は告げられた通り蓮華谷の霊木で千手観音像を彫造し、これを本尊として「千手院」を建立しました。
この時、観音像を彫った霊木の切り株から不思議な芳香が漂い続けたことから、花蔵院と千手院を総称して「根香寺」と号したと伝えられています。
後白河上皇が本尊を深く信仰して祈願所としたことから、寺は次第に発展し、99の末寺を持つ巨刹として栄えました。
しかし1582年(天正13年)の兵火により伽藍を焼失。その後、高松藩主である生駒家と松平家の庇護により再建され、この時に天台宗へと改宗されました。
寺には興味深い伝説も残されています。
かつて青峰山には人を食べる怪獣「牛鬼」が棲んでいたといい、村人たちの依頼を受けた弓の名人・山田蔵人高清が退治に向かいました。
高清は根香寺の本尊に祈願し、21日目の満願の暁に現れた牛鬼を退治することに成功。
牛鬼の角は今も寺に保管されており、牛鬼の絵は魔除けのお守りとして親しまれています。
- 創建
- 弘仁年間(810〜824)
- 開基
- 弘法大師、智証大師
- 宗派
- 天台宗
- 御本尊
- 千手観世音菩薩
- 御真言
- おんばざらたらまきりくそわか
- 御詠歌
- 宵の間の妙降る霜の消えぬれば
後こそ鉦の勤行の声
- 住所
- 〒761-8004 香川県高松市中山町1506
- 電話
- 087-881-3329
- 駐車場
- 無料(普通車20台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/82negoroji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCWi