第七十八番 郷照寺

第78番札所 仏光山 広徳院 郷照寺(ぶっこうざん こうとくいん ごうしょうじ)

郷照寺について

郷照寺は、青ノ山のふもとの高台に位置し、境内からは宇多津の町並みと瀬戸大橋を一望できる景勝地に建つ古刹です。
725年(神亀2年)に行基菩薩によって開創され、当初は「仏光山・道場寺」と称されました。
行基菩薩は55センチほどの阿弥陀如来像を彫造して本尊としました。
現在でも寺の御詠歌に「道場寺」の名が残されています。

807年(大同2年)には42歳の弘法大師がこの地を訪れ、仏法有縁の地として自身の像を彫造し、厄除けの誓願を立てました。
この木造の大師像は「厄除うたづ大師」として現在も広く信仰を集めています。

その後も多くの高僧が当寺と関わりを持ちました。
851年から854年には醍醐寺の開山である理源大師(聖宝)が籠山修行を行い、985年から987年には浄土教の理論的基礎を築いた恵心僧都(源信)が霊告を受けて釈迦如来の絵を奉納し、釈迦堂を建立しました。
1243年(仁治4年)には『南海流浪記』の著者で中院流の祖である道範阿闇梨が流罪の際にここを仮寓としました。

特筆すべきは1288年(正応元年)の時宗開祖・一遍上人の逗留です。
一遍上人がここで易行・浄土教の教えを広めたことから、真言宗と時宗の二つの法門が伝わることとなり、四国八十八箇所霊場の中で唯一の時宗寺院という特異な存在となりました。

室町時代には守護大名の庇護を受けて栄えましたが、その後、長宗我部軍の兵火により伽藍を焼失。
1664年(寛文4年)に高松藩主・松平頼重によって再興される際、七十七番札所の道隆寺と紛らわしいという理由から「郷照寺」と改称されました。

四国の表玄関とも言える港町に位置する郷照寺では、今日も真言密教と浄土教の教えが脈々と受け継がれています。

創建
神亀2年(725)
開基
行基菩薩
宗派
時宗
御本尊
阿弥陀如来
御真言
おんあみりたていせいからうん
御詠歌
踊り跳ね念仏申す道場寺
拍子を揃え鉦を打つなり
住所
〒769-0210 香川県綾歌郡宇多津町山下1435
電話
0877-49-0710
駐車場
普通車/無料、大型バス/有料
アクセス
【最寄駅】
宇多津駅18分(1.3㎞)
【最寄バス停】
山下5分(350m)
公式サイト
https://yakuyoke.org/
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/78goshoji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCWd

四国八十八ヶ所霊場