第七十二番 曼荼羅寺
第72番札所 我拝師山 延命院 曼荼羅寺(がはいしざん えんめいいん まんだらじ)
曼荼羅寺について
曼荼羅寺は四国霊場の中で最も古い歴史を持つ寺院で、推古4年(596年)、弘法大師の先祖にあたる讃岐の領主・佐伯家の氏寺として創建されました。
当初は「世坂寺(よさかでら)」という寺号でしたが、大同2年(807年)に大きな転機を迎えます。
この年、唐から帰国した弘法大師が母・玉依御前の仏果菩提を祈るためにこの寺を訪れ、中国・青龍寺を模して三年がかりで伽藍を整備しました。
大師は大日如来を本尊として刻み、唐から持ち帰った金剛界と胎蔵界の曼荼羅を安置。
これにちなんで寺号を「曼荼羅寺」と改めました。
本堂内部は、大日如来を中心とした仏教の宇宙観を具現化した曼荼羅空間として構成されています。
平安時代末期には、歌人・西行法師がこの地に深い縁を結びました。
讃岐に流され崇徳上皇の霊を慰めるため、西行は寺の近くの「水茎の丘」に庵を結んで7年余り暮らし、しばしば寺を訪れては本堂前の平らな石の上で昼寝をしたといいます。
この「西行の昼寝石」は今も当時の場所に残り、その横には「笠掛桜」と呼ばれる桜の木があります。
西行の同行者が形見として桜の木に笠をかけたまま立ち去ったことを詠んだ「笠はありその身はいかになりぬらん あはれはかなきあめが下かな」という歌は、この地に深い情感を添えています。
かつては弘法大師お手植えとされる樹齢1200年超の「不老松」が、菅笠を二つ伏せたような独特の姿で県の自然記念物に指定されていましたが、松食い虫の被害により2002年に伐採されました。
しかし、真言密教の根本を象徴する曼荼羅空間としての荘厳さと、西行ゆかりの文学的な情趣を併せ持つ寺院として、今日も参拝者を迎えています。
- 創建
- 大同2年(807)
- 開基
- 弘法大師
- 宗派
- 真言宗善通寺派
- 御本尊
- 大日如来
- 御真言
- おんあびらうんけんばざらだどばん
- 御詠歌
- わずかにも曼荼羅拝む人はただ
再び三度帰らざらまし
- 住所
- 〒765-0061 香川県善通寺市吉原町1380-1
- 電話
- 0877-63-0072
- 駐車場
- 有料(普通車20台/200円、バス4台/500円)
- アクセス
- 公式サイト
- https://mandaraji.xsrv.jp/
- https://www.facebook.com/72mandaraji/
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/72mandaraji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/48Km