第六十六番 雲辺寺

第66番札所 巨鼇山 千手院 雲辺寺(きょごうざん せんじゅいん うんぺんじ)

雲辺寺について

雲辺寺は、香川県と徳島県の県境に位置する標高927メートルの雲辺寺山頂に建つ霊場で、四国八十八箇所霊場の中で最も標高が高い寺院として知られています。
住所は徳島県にありますが、霊場としては讃岐の打ち始めにあたり、「関所寺」としての性格を持っています。
かつては「遍路ころがし」と呼ばれる難所でしたが、現在は麓からロープウェイで山頂まで約7分で到達できます。

創建は延暦8年(789年)、16歳の弘法大師が善通寺の建材を求めてこの地を訪れた際、霊山の趣に心打たれて堂宇を建立したことに始まります。
大師はその後も、34歳で唐からの請来品による秘密灌頂の修法を行い、45歳で嵯峨天皇の勅を受けて本尊を安置するなど、生涯で3度この霊山を訪れています。

「四国坊」「四国高野」とも呼ばれた雲辺寺は、四国各地から集まる僧侶たちの学問・修行の道場として栄えました。
貞観年間(859-877)には清和天皇の勅願寺となり、鎌倉時代には七堂伽藍が整い、12坊と8つの末寺を持つ大寺院として発展しました。

戦国時代には、土佐の豪族・長宗我部元親が四国統一の野望をこの地で抱きましたが、当時の住職・俊崇坊に「あなたの器は土佐一国の主」と諭され、引き返したという有名な逸話が残っています。
江戸時代には阿波藩主・蜂須賀家の庇護を受け、千古の杉に囲まれた霊山として法灯を守り続けてきました。

現在の雲辺寺は、山頂という立地から年間を通じて平地より5~10度ほど気温が低く、シャクナゲやアジサイなど、季節外れの花々を楽しむことができます。
雲に包まれた神秘的な佇まいは、開創以来の霊山としての風格を今に伝えています。

創建
延暦8年(789)
開基
弘法大師
宗派
真言宗御室派
御本尊
千手観世音菩薩(経尋作)
御真言
おんばざらたらまきりく
御詠歌
はるばると雲のほとりの寺に来て
月日を今は麓にぞ見る
住所
〒778-5251 徳島県三好市池田町白地ノロウチ763
電話
0883-74-0066
駐車場
無料 ※注意(雲辺寺ロープウェイ山麓駅:約400台)
アクセス
【最寄駅】
三縄駅2時間48分(12.6㎞)
【最寄バス停】
天神2時間36分(12㎞)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/66unpenji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCWG

四国八十八ヶ所霊場