第六十五番 三角寺

第65番札所 由霊山 慈尊院 三角寺(ゆれいざん じそんいん さんかくじ)

三角寺について

標高約360メートルの平石山中腹に位置する三角寺は、四国八十八箇所霊場の第六十五番札所であり、伊予国最後の巡礼地として知られています。
天平年間(729-749)、聖武天皇の勅願により、行基菩薩が弥勒の浄土を現世に具現化する場として開創したと伝えられています。

寺の歴史において重要な転機となったのは、弘仁6年(815)の弘法大師の来訪です。
大師は檜材一木造りの十一面観世音菩薩を本尊として安置し、不動明王像も彫造しました。
さらに三角形の護摩壇を築いて21日間にわたり「降伏護摩の秘法」を修められたといいます。
現在では、この護摩壇の跡が庫裡と薬師堂の間にある「三角の池」の中島として残され、寺の名称の由来となっています。

嵯峨天皇(809-823)の深い信仰を得て寺領300町歩を下賜され、七堂伽藍を備えた大寺院として繁栄しました。
しかし、天正年間(1573-1592)には長宗我部軍の兵火により堂宇の一部を焼失。
現在の本堂は嘉永2年(1849)の再建で、昭和46年(1971)に修復されています。

三角寺は古くから開運厄除けの観音として、特に安産や子授けの御利益で信仰を集めてきました。
子宝に恵まれない夫婦には「子宝杓子」が授けられ、これを用いて夫婦で食事をすることで子宝に恵まれるという言い伝えが今も残っています。

また、境内には樹齢300~400年の桜が植えられ、春には見事な花を咲かせます。
これは江戸時代の俳人・小林一茶が「これでこそ 登りかひあり 山桜」と詠んだ景観を今に伝えています。

創建
天平年間(729〜749)
開基
行基菩薩
宗派
高野山真言宗
御本尊
十一面観世音菩薩(伝弘法大師作)
御真言
おんまかきゃろにきゃそわか
御詠歌
おそろしや三つの角にもいるならば
心をまろく慈悲を念ぜよ
住所
〒799-0124 愛媛県四国中央市金田町三角寺甲75
電話
0896-56-3065
駐車場
有料 ※注意(30台/200円)
アクセス
【最寄駅】
川之江駅1時間31分(6.9㎞)
【最寄バス停】
三島川之江IC上りバス停48分(3.6㎞)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/65sankakuji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCWF

四国八十八ヶ所霊場