第六十四番 前神寺
第64番札所 石鈇山 金色院 前神寺(いしづちさん こんじきいん まえがみじ)
前神寺について
前神寺は、日本七霊山の一つとして知られる石鎚山(標高1982m)の麓に位置する由緒ある寺院です。
真言宗石鈇派の総本山であると同時に、修験道の根本道場としても重要な役割を担っています。
創建は天武天皇の時代(673-686)にさかのぼり、修験道の開祖である役行者小角によって開かれたとされています。
伝承によれば、役行者が石鎚山での厳しい修行の後、釈迦如来と阿弥陀如来が石鈇山大権現として現れ、その霊験を感得したことが始まりとされています。
その後、桓武天皇(781-806)が病気平癒の祈願を成就したことにより、七堂伽藍が建立され、「金色院・前神寺」として勅願寺の地位を得ました。
寺の歴史において特筆すべきは、弘法大師空海が二度にわたって石鎚山を訪れ、虚空蔵求聞持法や護摩修行などを行ったことです。
また、文徳天皇をはじめとする多くの歴代天皇の深い信仰を集めました。
江戸時代には西条藩主松平家の祈願所となり、三つ葉葵の寺紋を下賜されるなど、さらなる繁栄を遂げました。
明治維新期には神仏分離令により一時廃寺となる苦難を経験しましたが、1878年(明治11年)に現在地で再興。
以来、石鎚信仰の重要な拠点として現代に至っています。
毎年7月1日からの「お山開き」では、白装束の信徒たちが集い、法螺貝の音とともに「なんまいだ」の声が山々にこだまする荘厳な光景が見られます。
境内には古い灯篭や老木が立ち並び、深山の趣きを今に伝えています。
- 創建
- 七世紀後半
- 開基
- 役行者小角
- 宗派
- 真言宗石鈇派
- 御本尊
- 阿弥陀如来(伝役行者作)
- 御真言
- おんあみりたていせいからうん
- 御詠歌
- 前は神後は仏極楽の
よろずの罪をくだくいしづち
- 住所
- 〒793-0053 愛媛県西条市洲之内甲1426
- 電話
- 0897-56-6995
- 駐車場
- 無料(30台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/64maegamiji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCWE