第五十三番 円明寺
第53番札所 須賀山 正智院 円明寺(すがざん しょうちいん えんみょうじ)
円明寺について
四国八十八箇所第五十三番札所の円明寺は、天平勝宝元年(749年)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が創建しました。
行基は阿弥陀如来像と脇侍の観世音・勢至菩薩像を彫造し、当初は和気浜の西山に「海岸山・円明密寺」として建立されました。
鎌倉時代に度重なる兵火で衰退した後、元和年間(1615-24)に土地の豪族・須賀重久により現在地に移転。
寛永13年(1636年)には京都・御室の覚深法親王の令旨で仁和寺の直末となり、現在の寺号に改められました。
特筆すべきは、大正13年(1924年)、シカゴ大学のスタール博士が本尊厨子に打ち付けられた銅板納札を発見したことです。
慶安3年(1650年)の銘を持つこの納札は、縦24cm、幅9.7cmの四国霊場最古の破損なき銅板製で、初めて「遍路」の文字が記された史料としても重要です。
地元では「和気の円明さん」の愛称で親しまれ、境内には楼門、大師堂、本堂、観音堂が整然と並び、河野家遺臣の追善供養のための十一面観音像が安置されています。
また、聖母マリア像を浮き彫りにしたキリシタン灯籠でも知られています。
- 創建
- 天平勝宝元年(749)
- 開基
- 行基菩薩
- 宗派
- 真言宗智山派
- 御本尊
- 阿弥陀如来(伝行基菩薩作)
- 御真言
- おんあみりたていせいからうん
- 御詠歌
- 来迎の弥陀の光の圓明寺
照りそふ影は夜な夜なの月
- 住所
- 〒799-2656 愛媛県松山市和気町1-182
- 電話
- 089-978-1129
- 駐車場
- 無料(10台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/53enmyoji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCVp