第四十五番 岩屋寺
第45番札所 海岸山 岩屋寺(かいがんざん いわやじ)
岩屋寺について
四国八十八箇所第四十五番札所である岩屋寺は、標高700メートルの奇峰に建つ山岳霊場で、巨岩の中腹に堂宇が埋め込まれたような独特な景観を持つ寺院です。
境内へは「遍路ころがし」と呼ばれる600メートルの急勾配の参道と266段の石段を上る必要があり、その道中には杉木立の中に苔むした地蔵や墓標が点在しています。
弘仁6年(815年)、修行の霊地を求めてこの山に入った弘法大師は、明王鈴の音に導かれて岩山で法華仙人と出会いました。
この仙人は土佐の女性で、岩窟に籠もって法華三昧を成就し、空中飛行の神通力を得ていたと伝えられます。
法華仙人は大師に深く帰依して全山を献上し、大師は木造と石造の不動明王像を彫造。
木像を本堂の本尊として、石像を奥の院の秘仏として岩窟に祀り、山全体を不動明王として護摩修法を行いました。
寺の左右に聳える礫岩峰は、数千万年前の海底が断層運動で隆起、浸食されて形成されたもので、左を胎蔵界峯、右を金剛界峯と呼びます。
金剛界峯には法華仙人の修行の跡と舎利塔が残されており、鎌倉時代の『一遍聖絵』にも一遍上人の参籠修行の様子が描かれています。
明治31年(1898年)の火災で仁王門と虚空蔵堂を除く堂宇を失いましたが、大正9年(1920年)に大師堂、昭和2年(1927年)に本堂、昭和9年に山門、昭和27年に鐘楼が再建されました。
近代和風建築の傑作である大師堂は平成19年(2007年)に国の重要文化財に指定され、寺域は国の名勝、県立自然公園にも指定されています。
七種の霊鳥(三宝鳥、慈悲声鳥、鉦鼓鳥、鼓鳥、慈悲心鳥、鈴鳥、笛鳥)が住むとされ、神仙境のような雰囲気を漂わせる岩屋寺は、今も山そのものを本尊として崇める独特の霊場として多くの参拝者を迎えています。
- 創建
- 弘仁6年(815)
- 開基
- 弘法大師
- 宗派
- 真言宗豊山派
- 御本尊
- 不動明王
- 御真言
- のうまくさんまんだばざらだんせんだまかろしゃだそわたやうんたらたかんまん
- 御詠歌
- 大聖のいのる力のげに岩屋
石のなかにも極楽ぞある
- 住所
- 〒791-1511 愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥1468
- 電話
- 0892-57-0417
- 駐車場
- 有料(民営駐車場)
- アクセス
- 公式サイト
- https://shikoku88-iwayaji.com/
- https://www.facebook.com/iwayaji8845
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/45iwayaji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCVW