第三十八番 金剛福寺

第38番札所 蹉跎山 補陀洛院 金剛福寺(さださん ふだらくいん こんごうふくじ)

金剛福寺について

四国八十八箇所第三十八番札所である金剛福寺は、四国最南端の足摺岬を見下ろす丘の中腹に位置し、120,000平方メートルという広大な境内を持つ大道場です。
前の三十七番札所からは80キロメートル以上離れており、札所間の距離としては最長を誇ります。

弘仁13年(822年)、49歳の弘法大師は岬突端に広がる太平洋を望み、そこに観世音菩薩の聖地・補陀落の世界を感得しました。
大師は嵯峨天皇に奏上してこの地に伽藍を建立し、「補陀洛東門」の勅額を賜り、三面千手観世音像を彫造して本尊としました。
寺号の「金剛」は大師が唐から帰朝時に日本へ投げたとされる五鈷杵に由来し、「福」は『観音経』の「福聚海無量」から取られています。

金剛福寺は歴代天皇の勅願所として栄え、平安時代後期には広く観音霊場として信仰を集めました。
和泉式部や後深草天皇の女御が黒髪を納めたという逸話も伝わり、また源氏一門との縁も深く、源満仲が多宝塔を建立し、その子・頼光が諸堂の修復に尽力しました。

戦国時代以降は、補陀落浄土を目指して単身小舟で渡海する「補陀落渡海」の信仰が盛んとなり、一条家や土佐藩・山内家の庇護を受けて土佐随一の大寺院として発展しました。

現在、秘仏である本尊千手観音は正月や初観音、春祭りなど特定の日にのみ開帳され、境内には弘法大師にまつわる「足摺七不思議」の遺跡が岬の突端をめぐるように点在しています。
濃緑の樹海と白亜の灯台、断崖に砕ける波涛など、まさに観音の浄土を思わせる壮大な自然に抱かれた霊場として、今日も多くの参拝者を迎えています。

創建
弘仁13年(822)
開基
弘法大師
宗派
真言宗豊山派
御本尊
三面千手観世音菩薩
御真言
おんばざらたらまきりく
御詠歌
ふだらくやここは岬の船のさを
とるもすつるも法の蹉跎山
住所
〒787-0315 高知県土佐清水市足摺岬214-1
電話
088-088-0038
駐車場
無料(普通車40台、マイクロバス5台)
アクセス
【最寄駅】
古津賀駅9時間34分(42.4㎞)
【最寄バス停】
足摺岬1分(71m)
公式サイト
https://kongoufukuji.com/
Facebook
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YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=roHEgXCQA3c
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/38kongofukuji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCVF

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