第三十六番 青龍寺

第36番札所 独鈷山 伊舎那院 青龍寺(とっこうざん いしゃないん しょうりゅうじ)

青龍寺について

四国八十八箇所第三十六番札所である青龍寺は、弘法大師の入唐求法の経験と深く結びついた霊場です。

延暦23年(804年)、長安の青龍寺で恵果和尚から真言密教の奥義を授かった大師は、恩師への報恩として日本にも青龍寺を建立することを願い、「約束の地に飛んでいけ」との祈りを込めて独鈷杵を東の空へ投げました。
帰国後、四国巡錫の折にこの地を訪れた大師は、奥の院の老松に自らが投げた独鈷が刺さっているのを見出し、嵯峨天皇に奏上の後、弘仁6年(815年)に堂宇を建立して石造の不動明王像を安置しました。
寺号は恩師の青龍寺に因み、山号は遥か異国から放った「独鈷」と名付けられました。

本尊の波切不動明王像は、大師の入唐の際に暴風雨を鎮めるために現れたと伝えられ、今も航海の安全や豊漁、世間の荒波を鎮める御利益があるとして篤い信仰を集めています。

寺は明治期まで土佐七大寺の一つとして栄え、四つの末寺と六つの脇坊を擁する大寺院でしたが、江戸初期に一時衰退。
土佐二代藩主・山内忠義により正保年間(1644-1648)に再興されました。
しかし、宝永4年(1707年)の津波と地震で大きな被害を受け、江戸末期に再度の再建を行っています。

かつて青龍寺参詣には浦ノ内湾の湾口約400メートルを船で渡る必要があり、「竜の渡し」と呼ばれたこの渡船は、大師の供をした八人の子孫たちが昭和48年(1973年)の宇佐大橋開通まで代々守り続けてきたと伝えられています。

創建
弘仁6年(815)
開基
弘法大師
宗派
真言宗豊山派
御本尊
波切不動明王
御真言
のうまくさんまんだばざらだんせんだまかろしゃだそわたやうんたらたかんまん
御詠歌
わずかなる泉にすめる青龍は
仏法守護の誓いとぞきく
住所
〒781-1165 高知県土佐市宇佐町竜163
電話
088-856-3010
駐車場
無料(普通車20台)
アクセス
【最寄駅】
波川駅3時間41分(16.2km)
【最寄バス停】
11分(850m)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/36shoryuji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCVD

四国八十八ヶ所霊場