第三十四番 種間寺
第34番札所 本尾山 朱雀院 種間寺(もとおざん しゅじゃくいん たねまじ)
種間寺について
四国八十八箇所第三十四番札所である種間寺は、土佐湾沿岸に位置する古刹で、その創建は6世紀後半にまで遡る興味深い縁起を持っています。
敏達天皇6年(577年)、四天王寺造営のため来日していた百済の仏師たちが、帰国の途次、土佐沖で暴風雨に遭遇。
本尾山近くの秋山港に避難した彼らは、航海の安全を祈願して約145センチメートルの薬師如来坐像を彫造し、本尾山の山頂に安置したことが寺の起源とされています。
弘仁年間(814-824年)、唐から帰国した弘法大師がこの地を訪れ、百済の仏師たちが残した薬師如来像を本尊として諸堂を建立し、寺を開創しました。
寺号の由来は、大師が唐から持ち帰った米、麦、あわ、きび、豆(または稗)の五穀の種を境内に蒔いたことに因むといわれています。
天暦年間(947-957年)には村上天皇より「種間」の勅額を賜り、江戸時代には土佐藩主・山内家の厚い庇護を受けて広大な寺領を有し、大いに栄えました。
しかし明治4年(1871年)の廃仏毀釈により一時廃寺となったものの、明治13年(1880年)に再興を果たしています。
現在、本尊は「安産の薬師さん」として親しまれ、底の抜けた柄杓とともに多くの信仰を集めています。
また、海岸近くには奥の院があり、ここにも薬師如来が祀られています。
このように種間寺は、百済の仏師たちと弘法大師の縁により開かれ、海の安全と五穀豊穣の祈りが込められた霊場として、今日も参拝者を迎えています。
- 創建
- 弘仁年間(810〜824)
- 開基
- 弘法大師
- 宗派
- 真言宗豊山派
- 御本尊
- 薬師如来
- 御真言
- おんころころせんだりまとうぎそわか
- 御詠歌
- 世の中にまける五穀のたねまでら
深き如来の大悲なりけり
- 住所
- 〒781-0321 高知県高知市春野町秋山72
- 電話
- 088-894-2234
- 駐車場
- 無料(普通車70台、大型バス5台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/34tanemaji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCVA