第二十六番 金剛頂寺

第26番札所 龍頭山 光明院 金剛頂寺(りゅうずざん こうみょういん こんごうちょうじ)

金剛頂寺について

四国八十八箇所第二十六番札所である金剛頂寺は、室戸岬から西北に位置する行当岬の頂上に建つ霊場で、原始林の椎に囲まれた静謐な境内を有しています。
最御崎寺の「東寺」に対して「西寺」の通称で親しまれ、朱印もそのように捺されています。

大同2年(807年)、平城天皇の勅願により弘法大師が本尊の薬師如来像を彫造して開創しました。
当初は「金剛定寺」と称し、女人禁制であったため、婦女子は4キロメートル離れた行当岬の不動堂(女人堂)から遙拝していたといいます。
若き日の大師はこの寺と不動堂の間を毎日行き来して修行を重ね、「行当」の地名はその足跡を伝えるものとも言われています。

嵯峨天皇の時代に「金剛頂寺」の勅額を賜り、現在の寺号となりました。
淳和天皇も勅願所として深く尊信し、住職は第十世まで勅命により選ばれるなど、朝廷との結びつきは強く、16世紀頃まで全盛を誇りました。

寺域は3万3千平方メートルに及び、平安時代には室戸市の大部分を寺領とする大寺院でしたが、文明11年(1479年)と明治32年(1899年)の二度の火災に見舞われています。
しかし、長宗我部氏や山内氏など歴代土佐藩主の庇護により、その都度速やかに復興を遂げました。

昭和期に建立された正倉院様式の宝物殿「霊宝殿」には、平安時代に大師が各地を旅した際の「金銅旅壇具」という国内唯一の遺品をはじめ、多くの重要文化財が収蔵されています。
また境内には県の天然記念物に指定された寄生植物ヤッコソウが自生するなど、歴史と自然の調和する霊場として、今日も多くの参拝者を迎えています。

創建
大同2年(807)
開基
弘法大師
宗派
真言宗豊山派
御本尊
薬師如来
御真言
おんころころせんだりまとうぎそわか
御詠歌
往生に望みをかくる極楽は
月のかたむく西寺の空
住所
〒781-7108 高知県室戸市元乙523
電話
0887-23-0026
駐車場
有料(普通車20台/200円、マイクロバス3台/400円、大型バス3台/1,000円)
アクセス
【最寄駅】
奈半利駅4時間54分(21.8km)
【最寄バス停】
金剛頂寺入口1分(7m)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/26kongochoji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCUt

四国八十八ヶ所霊場