第二十五番 津照寺
第25番札所 宝珠山 真言院 津照寺(ほうしゅざん しんごんいん しんしょうじ)
津照寺について
四国八十八箇所第二十五番札所である津照寺は、室津港を見下ろす小高い丘の上に位置し、地元では親しみを込めて「津寺(つでら)」と呼ばれています。
大同2年(807年)、弘法大師は四国行脚の途中、山の形が地蔵菩薩の持つ宝珠に似ているのを見て霊地と定め、海で働く人々の無事と豊漁を祈願して延命地蔵を彫造し、「宝珠山真言院津照寺」と号して開創しました。
この寺の本尊は「楫取(かじとり)地蔵」の別名で知られ、興味深い縁起を持っています。
慶長7年(1602年)、土佐藩初代藩主の山内一豊が室戸沖で暴風雨に遭った際、一人の僧侶が現れて船を安全に導いたといいます。
翌日、その僧を探して津照寺を訪れると、本尊の地蔵菩薩の御体が濡れていたことから、僧の姿をとった地蔵菩薩が船を救ったと伝えられています。
また寛保2年(1742年)の大火の際にも、本尊が僧侶の姿となって村人たちに知らせ、火難から救ったという逸話も『今昔物語』に記されており、「火事取り」の意味でも「かじとり地蔵」と呼ばれています。
寺は戦国時代には長宗我部氏、江戸時代には山内氏の深い帰依を受け、七町余りの寺領を有し、藩営寺院として中老格の待遇を受けるなど隆盛を極めました。
しかし、明治の神仏分離令により一時廃寺となり、寺領は政府に没収されるか小作農民に払い下げられました。
約十数年の荒廃を経て、明治16年(1883年)にようやく寺号が復興され、現在の大師堂は昭和38年(1963年)、本堂は昭和50年(1975年)に新築されています。
このように津照寺は、海の守り神としての信仰を集めながら、土佐の歴史とともに歩んできた由緒ある寺院です。
- 創建
- 大同2年(807)
- 開基
- 弘法大師
- 宗派
- 真言宗豊山派
- 御本尊
- 地蔵菩薩(楫取地蔵)
- 御真言
- おんかかかびさんまえいそわか
- 御詠歌
- 法の舟入るか出づるかこの津寺
迷ふ我身をのせてたまへや
- 住所
- 〒781-7102 高知県室戸市室津2652-イ
- 電話
- 0887-23-0025
- 駐車場
- 無料(港の広場を使用させていただいております。)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/25shinshoji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCUr