第十九番 立江寺
第19番札所 橋池山 摩尼院 立江寺(きょうちざん まにいん たつえじ)
立江寺について
四国八十八箇所第十九番札所である立江寺は、「四国の総関所」「阿波の関所」と称される高野山真言宗の別格本山です。
天平19年(747年)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が創建しました。
行基は光明皇后の安産を祈願して、一寸八分(約5.5センチ)の黄金の地蔵菩薩像を彫造し、「延命地蔵菩薩」と名付けて本尊としました。
寺の建立場所は、一羽の白鷺が橋の上に止まって示したと伝えられ、その橋は現在も白鷺橋として残っています。
弘仁6年(815年)、この地を訪れた弘法大師は、小さな本尊が後世に失われることを懸念し、六尺(約1.9メートル)の地蔵尊を新たに彫造。
その胸部に元の黄金の地蔵像を納め、このとき寺号を「立江寺」と定めました。
創建当時の寺は現在地より西へ400メートルほどの景勝地にあり、七堂伽藍を擁する大寺院でした。
立江寺は二度の大きな災禍に見舞われています。
天正年間(1573-92)の兵火により一度は壊滅的な被害を受け、その後、阿波初代藩主・蜂須賀家政公の帰依により現在地に移転して再建されました。
さらに昭和49年(1974年)の火災でも本堂を失いましたが、不思議なことに両度とも本尊は無事でした。
昭和52年(1977年)に再建された本堂の格天井画(286枚)は、東京芸術大学の教授らにより花鳥風月が描かれ、観音堂の絵天井とともに昭和期を代表する日本画として高く評価されています。
また、寺伝の「釈迦三尊図」は国の重要文化財に指定されています。
立江寺は邪悪な心を戒める関所寺としての厳格さを持つ一方で、創建の由来から「子安の地蔵尊」「立江の地蔵さん」として親しまれ、安産や子育ての御利益を求める参拝者も多く訪れる寺院です。
- 創建
- 天平19年(747)
- 開基
- 行基菩薩
- 宗派
- 高野山真言宗
- 御本尊
- 延命地蔵菩薩
- 御真言
- おんかかかびさんまえいそわか
- 御詠歌
- いつかさて西のすまいのわが立江
弘誓の舟に乗りていたらむ
- 住所
- 〒773-0017 徳島県小松島市立江町字若松13番地
- 電話
- 0885-37-1019
- 駐車場
- 有料(普通車30台/300円、マイクロバス5台/1000円、大型バス6台/1000円)
- アクセス
- 公式サイト
- https://www.tatsueji.com/
- X
- https://x.com/tatsueji
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/19tatsueji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCUe