第十八番 恩山寺
第18番札所 母養山 宝樹院 恩山寺(ぼようざん ほうじゅいん おんざんじ)
恩山寺について
四国八十八箇所第十八番札所である恩山寺は、小松島市郊外の風致地区に位置し、豊かな樹林に囲まれた霊場です。
当初は聖武天皇の勅願により行基菩薩が創建し、「大日山福生院密厳寺」という寺号で、女人禁制の厄除け道場として知られていました。
寺の現在の名称「母養山恩山寺」には、弘法大師と母・玉依御前にまつわる感動的な物語が伝えられています。
弘仁5年(814年)頃、この寺で修行中の大師のもとに、讃岐の善通寺から母が訪ねてきました。
しかし女人禁制の掟により、十九番札所に向かう花折り坂から上には女性の立ち入りが許されていませんでした。
大師は母との面会を願い、山門近くの滝に打たれて7日間の秘法を修し、女人解禁を成就。
こうして母を迎え入れることができました。
玉依御前はこの寺で剃髪して出家し、その髪を奉納されました。
この孝養の思いを記念して、大師は寺号を「母養山恩山寺」と改め、自らの像を彫造して「我が願いは末世薄福の衆生の難厄を除かん」と誓願を立てました。
寺は天正の兵火で一度は焼失しましたが、江戸時代に阿波藩主の庇護を受けて再興。
現在の本堂と大師堂は文化・文政年間(1804-30)の建立です。
境内には玉依御前を祀る小堂があり、大師が修行した場所を示す赤い欄干の橋の下には、女人解禁を記念して植えられたとされる「びらんじゅ」(県の天然記念物)が今も生育しています。
また樹齢約300年のイチョウや約350年のソテツなどの古木も境内を飾り、本堂左手の階段を上がれば恩山寺自然公園の展望台があり、小松島港や市街地、紀伊水道を一望することができます。
このように恩山寺は、弘法大師の母への深い孝心を今に伝える霊場として、多くの参拝者を迎えています。
- 創建
- 天平年間(729〜749)
- 開基
- 行基菩薩
- 宗派
- 高野山真言宗
- 御本尊
- 薬師如来
- 御真言
- おんころころせんだりまとうぎそわか
- 御詠歌
- 子を生めるその父母の恩山寺
訪らひがたきことはあらじな
- 住所
- 〒773-0008 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
- 電話
- 0885-33-1218
- 駐車場
- 無料(普通車20台、マイクロバス5台、大型バス4台)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/18onzanji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/4UFD