第十七番 井戸寺

第17番札所 瑠璃山 真福院 井戸寺(るりざん しんぷくいん いどじ)

井戸寺について

四国八十八箇所第十七番札所である井戸寺は、7世紀後半の白鳳時代に天武天皇(在位673-86)の勅願道場として建立された由緒ある古刹です。
創建当時は「瑠璃山妙照寺」と称し、寺域は八町四方という広大な敷地に七堂伽藍と十二の末寺を擁する大規模な寺院でした。

本尊は薬師瑠璃光如来を主尊とする七仏薬師如来坐像で、聖徳太子の作と伝えられ、脇仏の日光・月光菩薩像は行基菩薩の作とされています。
この珍しい七仏薬師如来は、七難即滅、七福即生などの開運の御利益があるとして、今日も多くの信仰を集めています。

弘仁6年(815年)、弘法大師がこの本尊を参拝するために訪れた際、檜材から像高約1.9メートルの十一面観音像を彫造して安置しました。
右手に錫杖、左手に蓮華を挿した水瓶を持つこの像は、現在、国の重要文化財に指定されています。

寺名の「井戸寺」の由来には、弘法大師にまつわる感動的な逸話が残されています。
大師は村人たちが水不足や濁り水に悩まされているのを見て、自らの錫杖で井戸を掘ったところ、一夜にして清水が湧き出したといいます。
これにより付近は「井戸村」と呼ばれるようになり、寺も「井戸寺」と改称されました。
この霊泉は「面影の井戸」として今も伝えられています。

寺は南北朝時代の貞治元年(1362年)に細川頼之の兵乱で、また天正10年(1582年)には三好存保と長宗我部元親の戦いで焼失するなど、幾度もの災禍に見舞われました。
現在の本堂は万治4年(1661年)の再建によるもので、のどかな田園の中に朱塗りの大きな門とともに、往時の面影を今に伝えています。

創建
白鳳2年(673)
開基
天武天皇
宗派
真言宗善通寺派
御本尊
七仏薬師如来
御真言
おんころころせんだりまとうぎそわか
御詠歌
面影をうつしてみれば井戸の水
結べば胸のあかやおちなん
住所
〒779-3118 徳島県徳島市国府町井戸北屋敷80-1
電話
088-642-1324
駐車場
無料(普通車30台・マイクロバス5台、大型バス5台)
アクセス
【最寄駅】
府中駅24分(1.7㎞)
【最寄バス停】
井戸寺口4分(270m)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/17idoji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCUc

四国八十八ヶ所霊場