第十五番 國分寺
第15番札所 薬王山 金色院 國分寺(やくおうざん こんじきいん こくぶんじ)
國分寺について
四国八十八箇所第十五番札所である國分寺は、天平13年(741年)、聖武天皇の勅命により全国に建立された国分寺の一つで、四国霊場の中でも特別な歴史を持つ寺院です。
四国の四県それぞれに国分寺がありますが、この阿波國分寺はその最初の札所となっています。
創建は天皇の命を受けた行基菩薩によって行われ、行基自身が薬師如来を彫造して本尊としました。
聖武天皇からは釈迦如来像と『大般若経』が納められ、本堂には光明皇后の位牌厨子が安置されたと伝えられています。
創建当時の寺は、寺領二町四方(約四万七千平方メートル)という広大な敷地に、金堂を中心として七重塔を備えた壮大な七堂伽藍を誇る大寺院でした。
法相宗に属し、奈良の法隆寺や薬師寺、興福寺と同じ南都の学派として、鎮護国家の祈願所としての重要な役割を果たしていました。
現在でも寺域からは塔の礎石などが発掘され、徳島県の史跡に指定されています。
弘仁年間(810-24)、弘法大師が四国霊場開創のため巡教した際に、寺は真言宗に改められました。
しかし、天正年間(1573-92)の長宗我部軍の兵火により、烏瑟沙摩明王堂を除くすべての堂塔が焼失。『四國遍禮霊場記』(1689年)にも、当時の衰微した様子が記されています。
寺の再興は寛保元年(1741年)、阿波藩郡奉行の速水角五郎によってなされ、この時に宗派も現在の曹洞宗に改められました。
現在も本堂には聖武天皇と光明皇后の位牌が祀られ、かつての国分寺としての栄華を今に伝えています。
このように國分寺は、奈良時代からの古い歴史を持ち、国家的な祈願所から四国遍路の重要な札所へと、時代とともにその役割を変えながら、今日まで伝統を守り続けている寺院です。
- 創建
- 天平13年(741)
- 開基
- 行基菩薩
- 宗派
- 曹洞宗
- 御本尊
- 薬師如来
- 御真言
- おんころころせんだりまとうぎそわか
- 御詠歌
- 薄く濃くわけわけ色を染めぬれば
流転生死の秋のもみじ葉
- 住所
- 〒779-3126 徳島県徳島市国府町矢野718-1
- 電話
- 088-642-0525
- 駐車場
- 無料(普通車10台、マイクロバス1台(特例)、大型バスは入車不可で駐車禁止)
- アクセス
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/15kokubunji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCUX