第十四番 常楽寺

第14番札所 盛寿山 延命院 常楽寺(せいじゅざん えんめいいん じょうらくじ)

常楽寺について

四国八十八箇所第十四番札所である常楽寺は、四国霊場の中で唯一、弥勒菩薩を本尊とする特別な寺院です。
弥勒菩薩は、釈迦入滅後も衆生の救済を考え続け、56億7千万年後に出現するとされる未来仏です。

弘仁6年(815年)、42歳の厄年にあたる弘法大師が、この地で真言の秘法を修行していた際、多くの菩薩を従えた化身の弥勒菩薩が現れ、説法を行ったといいます。
大師はこれを感得し、近くの霊木に弥勒菩薩の姿を刻んで堂宇を建立し、本尊として安置しました。
大師の『御遺告』には「吾れ閉眼の後、兜率天に往生し弥勒慈尊の御前に侍すべし。56億余の後、必ず慈尊と御共に下生し、吾が先跡を問うべし」との一節があり、常楽寺への深い思いが伝わってきます。

寺は、大師の甥である真然僧正が金堂を建て、高野山の再興で知られる祈親上人が講堂、三重塔、仁王門などを建立したことで、七堂伽藍を擁する大寺院へと発展しました。
室町時代には阿波守護大名・細川家の祈願所として栄えましたが、天正年間(1573-92)の兵火により堂塔のすべてが焼失してしまいます。

その後、江戸時代前期の万治2年(1659年)に蜂須賀家によって再興され、文化15年(1818年)には、ため池の造成に伴い、約40段の石段を上がった現在地に移転しました。
境内には奇形な岩盤の断層が重なる「流水岩の庭」があり、自然の美しさと調和した独特の景観を作り出しています。

現在の本堂は境内の最奥に位置し、その右手には愛染堂と大師堂が建っています。
このように常楽寺は、弘法大師と弥勒菩薩との深い縁を今に伝える霊場として、多くの参拝者を迎えています。

創建
弘仁6年(815)
開基
弘法大師
宗派
高野山真言宗
御本尊
弥勒菩薩
御真言
おんまいたれいやそわか
御詠歌
常楽の岸にはいつか到らまし
弘誓の船に乗りおくれずば
住所
〒779-3128 徳島県徳島市国府町延命606
電話
088-642-0471
駐車場
無料(普通車10台)
アクセス
【最寄駅】
府中駅44分(3.2㎞)
【最寄バス停】
常楽寺前6分(450m)
霊場会サイト
https://88shikokuhenro.jp/14jorakuji/
Wikipedia
https://w.wiki/CCUV

四国八十八ヶ所霊場