第十三番 大日寺
大日寺について
四国八十八箇所第十三番札所である大日寺は、徳島市内5つの霊場の最西に位置し、鮎喰川を渡った平地に建つ古刹です。
現在は県道を挟んで阿波の総鎮守であった一宮神社と向かい合っています。
寺の創建は弘法大師に遡ります。弘仁6年(815年)、「大師が森」(または「大師ヶ森」)と呼ばれるこの地で護摩修法を行っていた大師の前に、紫雲とともに大日如来が出現し、「この地は霊地なり。心あらば一宇を建立すべし」と告げられたといいます。
大師はこの啓示に従い、大日如来像を彫造して本尊とし、堂宇を建立しました。寺号もこの故事に由来しています。
寺の歴史は変遷に富んでいます。
戦国時代の天正の兵火により堂塔のすべてが焼失しましたが、江戸時代初期に阿波三代藩主・蜂須賀光隆の手により本堂が再建されました。
また、国の総鎮守・一宮が建立された際には、その別当寺として同じ境内に置かれ、寺院の管理を担当していました。
江戸時代には、一宮神社の本地仏である行基菩薩作の十一面観音像の存在により、一宮神社自体が札所として参拝され、納経所としての機能を果たしていたことが、真念著『四國邊路道指南』(貞享4年・1687年)にも記されています。
明治の神仏分離令により大きな転換期を迎え、一宮神社は独立し、一宮寺は元の「大日寺」の寺号に戻りました。
この時、一宮神社にあった十一面観音像が大日寺に移され本尊となり、もとの本尊であった大日如来像は脇仏となりました。
現在の境内は老樹に覆われ、静謐な密教寺院の雰囲気を漂わせています。
平成6年(1994年)には総檜造りの二階建て客殿が新築され、納経所や食堂なども整備されて、遍路者の休憩・宿泊の場として親しまれています。
このように大日寺は、神仏習合の時代から神仏分離を経て現代に至るまで、日本の宗教文化の変遷を今に伝える貴重な寺院として、四国遍路の重要な札所となっています。
- 創建
- 弘仁6年(815)
- 開基
- 弘法大師
- 宗派
- 真言宗大覚寺派
- 御本尊
- 十一面観世音菩薩
- 御真言
- おんまかきゃろにきゃそわか
- 御詠歌
- 阿波の国一宮とはゆうだすき
かけて頼めやこの世のちの世
- 住所
- 〒779-3132 徳島県徳島市一宮町西丁263
- 電話
- 088-644-0069
- 駐車場
- 無料(普通車で15台、マイクロバスで10台、大型バスで8台)
- アクセス
- 公式サイト
- https://dai13.jp/
- https://www.facebook.com/dainichiji
- 霊場会サイト
- https://88shikokuhenro.jp/13dainichiji/
- Wikipedia
- https://w.wiki/CCUS